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コンテンポラリーダンサーとのロルフィング日記

今回は施術者目線のセッション日記。

ロルフィング施術者はどのように身体を見ているのか、具体的なセッションの一部を切り取って、その視点や考えていることをお伝えできたらと思います。今回はコンテポラリーダンスをしているクライアントさん。呼吸が浅く、身体の安定感が少ないとのこと。お話を伺っていると最近はストレスによる心労も見受けられました。


仰向けに寝てもらうと爪先をぴーんと伸ばしているのが印象的。踵が骨盤から遠ざかるように、足首を軸にしてゆっくりと引き出してみます。一般的に踵の動きが制限される場合、ふくらはぎ等の硬さを疑いますが、今回はその硬さは見つかりません。一方で、身体から踵へ抜ける力の伝達がうまく見られませんでした。


身体の中には力がよく伝わる接地面が存在します。普段からその面を通して足裏は地面に接しているので、その場所は触れた時にがっしりとした安定感が伝わってきます。今回は爪先側にその様子がありましたが、踵ではその習慣がないように感じました。「足首は硬くはない(踵で接地できる)けど、踵で接地してこなかった」という身体の特徴見えてきました。


こういうときは、かかと方向への接地感と動きを体感してもらい、足裏のバランスを整えていきます。手のひらで踵を包み、動きの向きを伝え、リラックスした状態で、手に向かって踵を伸ばしてもらいます。このときクライアントさんには、踵で手の感覚を感じながら、ゆっくりと押してもらいます。勢いでグッと踏み込むのではなく、車のペダルを踏むようにゆっくりと押して、ゆっくりと緩める。


知覚を伴った動きを丁寧に繰り返すことで、体は普段してこなかった動きに慣れてきます。施術者サイドでも踵側へ動きの安定感が感じられてきました。ベッドから立ち上がってもらうと、「身体が素直に地面に降りてきている」といつもにはない感覚を嬉しそうに伝えてくれました。


身体のバランスを扱う場合、今回のように肉体的な制限だけでなく、知覚や運動の偏りをみることも大切になります。そういったソフト面のバランスは、外部から与える大きな刺激ではなく、身体が受容できる刺激によって生まれてきます。上記のような連続性のある穏やかなワークは、不得手な身体感覚を養う効果的なワークとなります。


クライアントさんから出てくることばも少しずつ、穏やかで落ち着いたものになっていったのが印象的でした。「地に足がつく」状態というのは心身ともに大きな影響を与えるんだなぁと改めて実感しました。


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